HP Image Assistant(HPIA)を使ってBIOSアップデートをIntuneのWin32アプリとして配信したところ、何も起きないまま約60分後に「失敗」扱いになる——そんな事象に遭遇しました。原因と対処法をまとめます。
■ 症状
・HPIAのBIOS更新パッケージをIntuneのWin32アプリとして配信
・ログが一切出ないまま、デフォルトのタイムアウト値である60分が経過した時点で強制終了・失敗扱いになる
・ローカルで手動実行すると問題なく動く(=パッケージ自体は壊れていない)
■ 原因: GUIポップアップ待ちによるハング
HPIAは通常起動時に、進捗や確認を表示するGUI(ポップアップウィンドウ)を出そうとします。ところがIntune経由の配信はSYSTEM権限・非対話セッションで実行されるため、表示できるデスクトップ(画面)が存在しません。
その結果、HPIAは「ウィンドウを表示しろ」という命令を出したまま、誰も操作できない・誰にも見えないウィンドウの入力を延々と待ち続けます。Intune側はこれを「アプリがフリーズした」と判断し、既定の60分タイムアウトで強制終了させます。ログが出ないまま失敗するのは、GUI表示待ちの段階で処理が一切先に進んでいないためです。
■ 対処法: インストールコマンドに/Silentを付与する
IntuneのWin32アプリ設定にある「インストールコマンド」に /Silent オプションを追加します。
HPImageAssistant.exe /Silent /BIOS
(実際のパラメータはHPIAのバージョンや用途に応じて調整してください)
/Silent は「GUIを一切出さない、入力待ちも一切しない」ことを明示する指定です。これによりHPIAはポップアップを試みることなく、起動後すぐにハードウェアのスキャンとBIOS更新要否の判定に進み、数秒〜数分で終了コードを返すようになります。Intune側も処理の完了を即座に検知できるため、タイムアウトによる強制終了が発生しなくなります。
■ 実行後の確認ポイント
/Silent適用後、ログファイル(HPIAのデフォルトでは C:\Logs\HPIA 配下)を確認すると、以下のようなステータスが記録されます。
・Status: Success — BIOS更新ファイルの処理が正常に完了
・Pending Reboot — 更新ファイルはシステムに適用済みで、再起動待ちの状態
・No update required — 対象デバイスにはすでに最新のBIOSが適用済み
Pending Rebootになっている場合は、対象デバイスが次に再起動されたタイミングでBIOSアップデートが実際に反映されます。即座に再起動を強制する必要はなく、通常の運用の中で再起動されるのを待つ形で問題ありません。
■ 補足: エラーコード0x80070BCCが出た場合
BIOS更新プロセス中に0x80070BCC(ERROR_SHARING_VIOLATION)というエラーが出ることもあります。これは「更新対象のファイルが別のプロセスに掴まれていてアクセスできない」状態を示すエラーで、Windows Updateエージェントやセキュリティソフトのスキャンと処理がバッティングした際に発生しやすいものです。
多くの場合、Intune側の自動リトライで解消します。翌日以降に改めてステータスを確認し、SuccessやPending Rebootになっていれば一時的な競合だったと判断できます。それでもFailedのままの場合は、HPIAのログに具体的なエラー内容(BIOS Flash Failed等)が出ていないか確認し、モデル固有の問題の可能性を検討します。
■ まとめ
IntuneでHPIAのBIOS更新が理由不明のままタイムアウトする場合、まず疑うべきは「GUI表示待ちによるハング」です。インストールコマンドに/Silentを付けるだけで解消するケースが多いので、BIOS更新の自動配信を組む際は最初からサイレントオプションを付けておくことをおすすめします。


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